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第22回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~「プロが選ぶ素材別お手入れ術」~

衣類は素材によって性質が全く違うため、
最適なケアも変わります。

しかし多くの方は
「洗濯タグはよく分からない…」
「ウールも綿も同じ洗い方でいいの?」
と疑問を持つことが少なくありません。

そこで今回は、
クリーニング職人が“実際に気をつけていること”をベースに
素材別の注意点・失敗しない洗い方・クリーニングに出す基準などを
3000字以上で詳しく解説します✨


■ 【素材①】ウール(ニット・コート)

ウールは“水を吸って縮む”ため家庭洗濯が最も難しい素材。

特徴

  • フェルト化しやすい

  • 摩擦に弱い

  • 温度変化に弱い

  • 形が崩れやすい

家庭洗濯で失敗するほとんどが「縮み」。

● プロの対策

  • ドライ洗浄で油性汚れを取る

  • 水に浸けない

  • 低温スチームで形を整える

  • ニットは平干しで乾燥


■ 【素材②】カシミヤ✨

高級素材の代表。
柔らかさと艶を保つには専門技術が必要。

● 注意点

  • 水に弱い

  • 摩擦で毛玉ができやすい

  • 熱で風合いが失われる

● プロの仕上げ

  • 低温の立体プレス

  • 毛並みのコーミング

  • 専用溶剤で優しく洗う

カシミヤは「年間に1〜2回クリーニング」が理想です。


■ 【素材③】ダウンジャケット

家庭洗濯で最もトラブルが多い衣類のひとつ。

● 失敗例

  • 羽毛がよれる

  • 乾かずに臭う

  • 襟・袖口の皮脂汚れが残る

● プロの技術

  • 羽毛を潰さない脱水

  • 静止乾燥でふっくら復元

  • 部分洗浄で皮脂を除去

ダウンは“乾燥技術”が命。


■ 【素材④】シルク(絹)️✨

繊細で美しいが、とても扱いが難しい。

● 特徴

  • 水で硬化する

  • 摩擦に弱い

  • 光で黄ばむ

● プロはどうする?

  • 完全ドライ洗浄

  • 低温プレス

  • 防虫・防湿処理

シルクこそプロのクリーニングが必須。


■ 【素材⑤】綿(シャツ・パンツ)

綿は扱いやすいが

  • シワが残りやすい

  • 黄ばみやすい

という特徴があります。

● プロのポイント

  • 高温スチームでシワを伸ばす

  • 汗染みは前処理で除去

  • シャキッとした仕上げ

ワイシャツの“パリッと感”はクリーニングならでは✨


■ クリーニングに出す基準は?


✔ 高級素材の服

ウール・シルク・カシミヤ・ダウンなどは迷わず出すべき。

✔ ニオイ・汗・皮脂が気になる時

家洗いでは落としづらい。

✔ 型崩れを防ぎたい服

スーツ・ジャケットはプロのプレスが必要。

✔ 長く着たいお気に入りの服

定期的なメンテナンスが寿命を伸ばす。


■ 「クリーニングは高い」と思う人へ

クリーニングは“服の手術・メンテナンス”。
短期的には費用がかかりますが、
服の寿命が2倍・3倍に伸びれば、
十分に価値があります✨


■ クリーニング店が大切にしていること✨

  • 一点一点の検品

  • 素材を見極める目

  • 汚れの原因を判断する技術

  • 事故を防ぐための慎重な工程

  • 丁寧な仕上げ

  • お客様との信頼関係

“服を預けていただく責任”を強く感じています。


■ まとめ

クリーニングはただの洗濯ではありません。
素材を守り、衣類の寿命を最大化するための専門技術。

  • 素材別の最適洗浄

  • 丁寧な仕上げ

  • シミ抜き

  • 立体プレス

  • 専門溶剤

  • 乾燥技術

このすべてが、服を美しく保つために欠かせないプロの仕事です✨

お問い合わせはこちらから!

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第21回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~“本当に服が長持ちする洗い方”~

衣類は毎日の生活に欠かせないアイテム。
しかし、洗い方ひとつで 「長持ちする服」「すぐ傷む服」 に大きな差が出ます。

多くの方が
「クリーニングって特別な時だけ使うもの」
と思っているのですが、実は違います。

クリーニング業は、
⦿ 素材を守る
⦿ 衣類を長持ちさせる
⦿ 風合いを保つ
⦿ 本来の美しさを引き出す
という、生活に密接した“技術産業”なのです🧼✨

今回は、クリーニング工場の裏側、
プロが行う洗浄技術、
家庭ではできない仕上げの世界まで、
3000字以上でたっぷり紹介します!


■ 【そもそも】なぜクリーニングに出すと服が蘇るの?👀✨

理由は大きく3つ👇

① 専用の洗剤・溶剤が違う

家庭洗濯は“水で洗う”のが基本ですが、
クリーニングは衣類ごとに
水洗い(ウェット)とドライ洗浄 を使い分けます。

● ドライクリーニングとは?

水を使わず、特殊な溶剤で洗う方法。

  • 生地が縮みにくい

  • 型崩れしない

  • 汚れだけを落とす

  • 色落ちしにくい

スーツ・コート・ワンピースなどに効果抜群✨


② プレス機・仕上げ技術

家庭用アイロンでは再現できない
“立体仕上げ”がクリーニングの価値。

  • 肩パットの形

  • ラペルのロール

  • パンツのセンターライン

  • 衿の立体感

プレス職人が1mm単位で温度・圧・蒸気を調整します👔✨


③ シミ抜きの専門技術

コーヒー・汗じみ・黄ばみ・ワイン・油汚れなど、
汚れの種類ごとに薬剤を使い分けます。

プロは“シミの正体”を見抜くのが仕事。
同じ油汚れでも

  • 魚の油

  • 揚げ物油

  • 化粧品の油

  • 機械油
    で薬剤が違います。

知識 × 経験 × 技術が必要な高度作業です。


■ クリーニング工場の裏側を公開!🚚🏭✨

クリーニング店の裏にある工場は、
実は“小さな衣類の病院”のような存在です。


① 受付でのチェック

  • 素材

  • 汚れ位置

  • シミ

  • ボタン・縫製

  • 破れ

  • 色落ちの可能性

ここで判断を誤ると事故につながるため、
プロの目が必要です。


② 選別

衣類は全て“素材・色・汚れ”で細かく分類。
これをミスすると縮み・色移りの原因に。


③ 洗浄工程

  • ドライ洗浄

  • 水洗い

  • ウェットクリーニング

  • 部分洗浄

  • 手洗い

衣類ごとに最適な方法を選択します。


④ 乾燥

ドラム乾燥機、静止乾燥、タンブラー乾燥。
素材に合わせて完全に温度管理。


⑤ プレス

ここがクリーニングの“顔”✨
職人が立体に仕上げていく工程。


⑥ シミ抜き

頑固な黄ばみや古いシミを専門技術で除去。


⑦ 包装

防湿・防塵・シワ防止の包装で仕上げ。


■ プロが教える“衣類を傷めない習慣”😊💡


✔ 洗濯機に詰めすぎない

摩擦が増え、生地の劣化に。


✔ 陽に当てすぎない

色褪せの原因。


✔ オシャレ着は中性洗剤

弱い洗剤ほど服が長持ち。


✔ 黄ばみは早めにケア

放置した黄ばみはシミ抜きでも取れにくい。


✔ スーツは「連続着用しない」

生地を休ませると型崩れしにくい。


■ クリーニングは“人生の質”を上げるサービス

忙しい現代において、

  • 服のメンテナンス

  • 正装の仕上げ

  • 仕事着の清潔さ

  • 大切な衣類の保存
    は生活の質と直結します。

プロのクリーニングは
「ただ洗う」以上の価値を提供しているのです。


■ まとめ

クリーニングは“特別なときだけのサービス”ではありません。
服の寿命を守る大切なメンテナンス✨

  • 洗浄技術

  • 乾燥管理

  • 立体プレス

  • シミ抜き技術

  • プロの検品

このすべてが“服を蘇らせる理由”です🧼✨

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第20回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~見えない努力が輝きを生む✨~

店頭で預けた衣類が、数日後にピカピカになって戻ってくる。
その裏には、目に見えない“技術とチームワーク”が隠れています🌟

今日はそんなクリーニング業の「裏側の魅力」に迫ります🧴💨


🧠 1|一枚一枚に“カルテ”がある

工場では、預かった衣類を種類・素材・汚れの程度ごとに分類。
タグをつけて、まるで医療のように「洗い方のカルテ」を作ります🗂️

水洗いかドライか、
漂白剤を使うか使わないか、
温度設定や乾燥時間――すべてが違います。

スタッフたちは、それを一つひとつ丁寧に判断し、
最適な工程を選んでいくんです💡

まさに「科学と経験のチームプレー」です👩‍🔬👨‍🔧


💦 2|“ただ洗う”だけじゃない。素材をよみがえらせる

クリーニングの現場では、汚れを落とすだけでなく、
衣類を“よみがえらせる”ことが求められます👕✨

縮んだセーターを復元したり、
スーツのテカリを抑えたり、
シルクやカシミヤのような高級素材をふんわり仕上げたり。

まるで“衣類のリペアアーティスト”🎨
それが、プロのクリーニング技術なんです。


🔧 3|チームの連携で品質を守る

工場の中では、洗い担当・プレス担当・検品担当など、
役割分担が明確に決まっています。

一人ひとりが自分の工程に責任を持ち、
仕上がりを確認してからお客様のもとへ。

最後の一枚まで気を抜かない――
そんな“品質へのこだわり”が信頼を生んでいます💪🌈


💖 4|「きれい」は人を元気にする

お客様から「このシャツ、また着られてうれしい!」と笑顔をもらう瞬間、
スタッフの心にも大きな達成感が生まれます🌸

クリーニング業は、衣類だけでなく、
人の気持ちまで明るくする仕事なんです✨


🌿 まとめ:クリーニング業は“人と人をつなぐ仕事”

洗う・仕上げる・届ける――そのすべてに「思いやり」があります💫
お客様の生活に寄り添い、毎日をより快適にする。

クリーニング業は、ただのサービス業ではなく、
“暮らしを支えるライフパートナー”です👔🌈

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第19回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~毎日の「きれい」を支えるプロの仕事✨~

朝出かけるとき、ピシッと仕上がったシャツを着ると、
それだけで気持ちが引き締まりますよね

その“爽やかな一日のスタート”を支えているのが、
クリーニング業のプロたちです✨


1|クリーニング業は「生活インフラ」

実は、クリーニング業は私たちの暮らしに欠かせない存在なんです

冠婚葬祭の礼服
医療・介護現場の制服
ホテルや飲食店のリネン類

ただ「汚れを落とす」だけではなく、
社会の清潔と安心を支える仕事なんです

特に最近は、抗菌・防臭加工など衛生面のニーズも高まり、
クリーニングの役割はますます重要になっています✨


2|“汚れを落とす”は科学と技術の結晶!

「洗うだけでしょ?」と思われがちですが、
実はクリーニングは“化学と経験の融合”なんです

油汚れ、汗、泥、インク、ワイン…。
汚れの種類に合わせて、洗剤や温度、時間を秒単位で調整。
繊維や染料の性質まで理解していなければ、
大切な衣類を傷めずにきれいに仕上げることはできません✨

つまり、クリーニングは「衣類の医者」のような仕事なんです


3|仕上がりに“心”を込めて

洗い・乾燥・プレス――すべての工程で“人の手”が関わります。
最後にアイロンをかける瞬間、
一枚のシャツに「明日も頑張ってね」という気持ちを込める✨

そんな職人たちの想いが、ピシッとした仕上がりと香りに現れます

お客様の笑顔が「次のやる気」になる――
それがクリーニング業のやりがいです


まとめ:クリーニングは“きれいを届ける仕事”

衣類をきれいにするだけでなく、
お客様の毎日を少し明るくする✨

その一枚一枚に“想い”と“技術”が込められている。
クリーニング業は、まさに「日常に笑顔を届ける仕事」です

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第18回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~やりがい~

1|クリーニング業の役割とは?

クリーニングは単に“汚れを落とす”仕事ではありません。
清潔・快適・長持ちを提供し、衣類の寿命を延ばして廃棄を減らし、生活と環境の両方を支える“暮らしのインフラ”です。
店頭・工場・集配が連携して、品質とスピードと安心を同時に届けます。


2|いま求められている主なニーズ 📈

  • 確かな品質と衛生:シミ抜き・臭いケア・高接触部位の衛生処理、アレルゲン配慮。

  • スピードと利便性:当日/翌日仕上げ、24hロッカー、アプリ集配、追跡・通知。

  • 素材別の専門対応:ダウン・シルク・レザー・機能素材(撥水・防風)・和装。

  • BtoB需要:ホテル/医療/飲食のリネン・ユニフォームでの安定供給と再現性。

  • サステナビリティ:溶剤管理、省エネ、再利用包装、ウェットの高度運用。

  • 価格の明瞭さと保証:再仕上げ無料、前後写真で可視化、事故時の迅速対応。


3|この仕事のやりがい 🌟

  • Before/Afterが一目で分かる達成感
    黄ばみが真っ白に、テカりが消えて“ふわっ”と蘇る瞬間は何度味わっても格別。

  • 技術で応える楽しさ
    酵素・酸化/還元・pHコントロール……**“科学×手技”**で難物を攻略。

  • お客さまの笑顔と感謝
    「大切な一着が戻った」「行事に間に合った」その言葉が最大のモチベーション。

  • 地域と環境に貢献
    衣類を長く使わせる=廃棄削減。災害時の布団やリネン支援で社会の役に立てる。

  • チームでものづくり
    検品→前処理→洗浄→仕上げ→包装→出荷、バトンリレーが決まる気持ちよさ。


4|やりがい×ニーズが交わる瞬間 💬

  • “前後写真+再仕上げ保証”導入 → クレームが安心に変わり、リピート率UP

  • ウェット×低温乾燥のハイブリッドで風合い保持 → 口コミ評価が継続的に向上

  • 24hロッカー+集配アプリで回遊性UP → 離脱していた層が**“戻り客”**に。


5|“今すぐ”現場を強くするミニ戦略 🧰

  1. 素材別SOPカード
     ウール/シルク/ダウン/機能素材の“やってはいけない”を赤字で明記。新人も迷わない。

  2. 高接触20点チェック
     襟・袖口・脇・ポケット口…“20点だけは必ず触る”習慣で再仕上げ激減。

  3. 3枚撮りトレーサビリティ
     受付・前処理後・仕上げ後を撮影してアプリ連携。説明と教育の双方に効く。

  4. シミMAP運用
     入荷時に“汚れ位置”をタグ/アプリに登録→前処理の漏れをゼロへ。

  5. 包装の最適化
     長期保管品は厚手・短期返却は薄手、包装/点数KPIを毎月共有しロス削減。


6|成果が見えるKPI📊

  • 再仕上げ率(%):1%未満を目標に、要因別(シミ残り/プレス/異臭)で改善。

  • 納期遵守率(%):当日/翌日の時間帯順守。遅延は要因を5Whysで解剖。

  • タグ誤紐付け率(ppm):バーコード/RFIDで限りなくゼロへ。

  • 電力/ガス使用量(kWh・m³/点):季節平準化を見える化。

  • 溶剤・洗剤使用量(g/点):品質を落とさず低減、濃度管理を徹底。

  • 包装材/点数・再利用率:環境負荷のKPI化でESGを社内共有。

  • 顧客指標:リピート率、定期便(サブスク)加入率、レビュー★清潔度。

※“他社と比べる”より“自店の基準線を上げ続ける”のがコツ。


7|スタッフのウェルビーイングも“ニーズ” 🧑‍🔧💚

  • 人間工学ツール:軽量ワゴン、昇降台、滑り止めマットで腰・肩の負担を軽減。

  • 熱・蒸気対策:スポット冷房/換気、給水ルール、ヒートストレス管理。

  • 学びの仕組み:前処理の化学・素材学をeラーニング化、多能工化でやりがいを拡張。


8|これからの展望 🚀

  • サブスク×オンデマンド:生活リズムに合わせた定額+スポットの相互補完。

  • 衣類ケア×リセール:プロメンテ済み証明で中古市場と接続、循環型へ。

  • マイクロプラ対策:フィルター/洗浄設計で排出を抑制、環境価値を可視化。

  • データで最適化:入荷量予測→人員配置→ルート集配→ボトルネック解消。

  • 高付加価値メニュー:撥水・防臭・花粉/ダニ対策、和装・革・ハイブランド専門室。


まとめ ✨

クリーニング業は、

  • 品質・衛生・利便性・サステナビリティという強いニーズに応え、

  • Before/Afterの達成感、技術で喜ばれる実感、地域と環境に効く誇りという大きなやりがいを生む仕事。

“目に見えない配慮”の積み重ねが、衣類の寿命とお客さまの信頼を伸ばします。
今日も一着一着に向き合うその姿勢が、まちの暮らしを静かに支えています🧺🌿

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第17回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~変遷~

1|はじまり:生活インフラとしての定着(〜1960年代)

戦後の衣生活は“長く着る・直して着る”が前提。
町場の個人店が 手仕上げ・人力プレス を中心に、綿・毛・絹など素材に合わせた職人の勘で対応していました。
蒸気ボイラーや回転式洗濯機が普及し始め、クリーニング=衣類を長持ちさせる公共サービスとして地域に根づきます。


2|高度経済成長:機械化とドライクリーニングの普及(1960〜80年代)

合成繊維・既製服の普及で衣類点数が増加。

  • ドライ機の本格導入、前処理(シミ抜き)と プレス機 による均一品質

  • チェーン化・工場集中で大量処理と翌日仕上げが一般化

  • スーツ・コート・学生服など“外出着”需要の拡大
    この頃に「即日/翌日仕上げ」「均一価格」などのサービス文化が形成されます。


3|バブル崩壊と品質志向・分化(1990年代)

価格競争が進む一方で、品質・安全の標準化が課題に。

  • 素材の多様化(起毛・縮絨しやすいウール、ビーズ・装飾)に高度対応

  • しみ抜き専業や高級衣料特化店の登場

  • 制服・白衣・ホテルリネンなど BtoB(リネンサプライ) の拡大
    家庭用洗濯機の進化で“日常衣類は家庭洗い、難物はプロへ”という 住み分けが定着します。


4|2000年代:環境配慮と“ウェット”の台頭 🌱

生活者の安全志向・環境意識の高まりを受け、溶剤管理と代替技術が進展。

  • 炭化水素系・シリコーン系など環境配慮型ドライ溶剤の採用

  • プロフェッショナル・ウェットクリーニング(水と専用洗剤+制御で型崩れを抑える)でデリケート素材にも対応

  • ボイラー省エネ、熱回収、包装資材の削減など サステナブル運用 へ舵切り
    同時に、撥水・防臭・UV 等の機能加工メニューも一般化します。


5|2010年代:デジタル化とラストワンマイルの革新 📲

スマホ普及で“店に持って行く”から“集配を呼ぶ”時代へ。

  • アプリ集配・サブスク(月額で枚数定額)

  • 店頭の 24時間ロッカー、無人受け渡し

  • 工場側は バーコード/RFID で個体管理、ミス防止とトレーサビリティ

  • 品質可視化(前後写真、仕上がり通知、再仕上げ保証)で 体験価値 を強化


6|2020年代:コロナ禍での需要変動と衛生価値の再定義 🦠

外出・出社が減り、スーツ需要は一時的に縮小。
一方で、寝具・カーテン・ユニフォーム・医療系 の衛生クリーニング、除菌・抗ウイルス加工 などが伸長。
ホテル・観光の戻りとともに リネン需要が反発、宅配・集配は生活インフラとして定着しました。


7|現在地:人手不足・多能工化・働きやすさ

  • 検品→シミ抜き→洗浄→乾燥→仕上げ→包装→出荷 の工程をデータで一気通貫

  • 腰・肩負担を減らす 人間工学ツール、蒸気・熱のばく露低減、安全教育の標準化

  • 外国人材・シニア活用、多能工化で現場の柔軟性を高める取り組みが加速


8|技術トピック:いま“現場で効いている”もの 💡

  • ウェット+ドライのハイブリッド運用:素材と仕上がり感で最適化

  • 低温乾燥・湿度制御:縮み・光沢劣化を抑えて風合いキープ

  • スポット前処理の科学:酸化・還元・酵素の“使い分け”でシミ再発を防止

  • 仕上げ自動化:シャツフィニッシャー、立体成形機で品質の均一化


9|タイムラインで一気に把握 ⏱️

  • 〜1960s:個人店中心/手仕上げ・蒸気機器の普及

  • 1960–80s:チェーン化・工場集中/ドライ機・プレス機で大量高速処理

  • 1990s:品質標準化/高級対応・BtoB拡大/家庭洗いと住み分け

  • 2000s:環境配慮溶剤・ウェット台頭/省エネ・包装削減

  • 2010s:アプリ集配・RFID・24hロッカー/体験の可視化

  • 2020s:衛生価値の再定義/需要シフトと復調、宅配定着


10|これからの展望 🚀

  1. オンデマンド×サブスク:即日集配・翌朝お届けの標準化

  2. サステナブル完全対応:再生エネルギー、ボイラー電化、再利用包装

  3. 衣類ケア×リセール連携:メンテ済み証明で中古市場と接続

  4. マイクロプラスチック対策:フィルター・洗浄設計で排出抑制

  5. 体験DX:仕上がりの“見える化”、保証・再仕上げのUX設計


まとめ ✨

クリーニング業は、
手仕事の時代 → 機械化・チェーン化 → 品質標準化とBtoB → 環境配慮とウェット台頭 → デジタル×集配 → 衛生価値の再定義
という階段を上りながら、いま サステナブル&デジタル を両輪に再発明が進んでいます。

衣類をきれいにするだけでなく、長く使う文化を支える“循環のハブ”
その役割はこれからも、暮らしの質と地球環境の両方を高めていくはずです🧺🌿

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第16回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~“選ばれるクリーニング”~

人手不足・光熱費高騰・多様な素材。勝ち筋は標準化(A4)×前処理の精度×溶剤管理×見える化です。ここではオーナー・工場長向けに、受付→選別→洗浄→仕上げ→お渡しの要点を実装レベルでまとめます。


1|A4一枚の“現場標準”📄

  • 受付SOP:タグ写真→検品→リスク説明→同意→納期確定(破れ・色移り・加水リスクのピクト表示付き)。

  • 選別SOP:色・素材・装飾品・汚れレベルでカゴ分け

  • 前処理SOP:油性/水性/タンパク/色素の薬剤チャートテストパッチ🧪

  • 仕上げSOP:品種別温度・圧力・秒数(Yシャツ、ウール、シルク、合繊 等)。


2|品質の“7割は前処理”🎯

  • スポッティング三段構え:油性→水性→漂白(還元/酸化)※順番厳守

  • 温度と時間低温長時間<中温短時間で生地負担を下げる。

  • 機械依存を減らすブラシ圧×拡散は“最小”を合言葉に。

  • 記録:シミ別に処方コードを残し、再来時の精度UP。


3|ドライ&ウェットの“最適窓”🌀

  • ドライ(石油系/シリコーン系)油性汚れ・型崩れ防止が得意。蒸留・フィルタの管理で臭い/再汚染をゼロへ。

  • ウェット(特殊水洗い)水性汚れ・汗・生活臭に強い。縮み・色泣き機械プロファイル×張力制御×仕上げ成形で抑制。

  • ハイブリッド運用ドライ→部分ウェットなど、工程ミックスで落ちと風合いの両立。


4|溶剤・水・空気のマネジメント 🌿

  • 溶剤毎回蒸留/濾過材交換周期/酸価・濁度の閾値管理。

  • :硬度と導電率を週次チェック。最終リンスは軟水寄りで肌当たりUP。

  • 空気ミスト・リントの集塵、乾燥機のダクト清掃で火災リスク低減🧯


5|プレスと成形“仕上げは技術の見せ所”👔

  • Yシャツ前立て・袖山・襟腰の順にテンポ一定。のり濃度は季節で微調整

  • ウール蒸気→冷風ホールドでテカり回避。

  • 合繊低温・短時間。光沢出し過ぎはクレーム種

  • 検品黒背景×拡散光で毛羽・テカり・糸引きを最終確認。


6|事故ゼロの“トレーサビリティ”📱

  • バーコード/QR受付→前処理→洗浄→仕上げ→包装→出荷を一本化。

  • 写真台帳:受付時・前処理前後のBefore/Afterを顧客アプリで共有。

  • ロスト対策ハンガールートの色分け搬出カウントで迷子ゼロ。


7|フロントの“納得コミュニケーション”🗣️

  • 三段話法:「現状→できること→リスク」

  • オプション提案:撥水/折り目/保管は目的ベースで(雨が多い・長期保管 等)。

  • 価格の透明化標準/手仕上げ/特殊処理の境界を写真と事例で提示。

  • 納期の一元表示:受注日の**○時までで翌営業日**など、カレンダー化


8|人材育成:90日プログラム 🎓

  • Day1–7:安全(薬剤/火気)・素材識別・タグ読み

  • Day8–30:前処理の基礎(スポッティング)・機械プロファイル

  • Day31–60:仕上げ実技(Yシャツ・ウール・シルク)とクレーム対応

  • Day61–90:ラインリーダー体験・8D是正(原因→対策→検証)


9|サステナ&付加価値 ♻️

  • 溶剤回収・熱回収で光熱費↓

  • 再利用可能ハンガー・不織布から紙へ

  • 保管サービス(シーズンオフ)で客単価+在庫平準化

  • 抗菌・花粉・撥水など地域ニーズに合わせたメニュー設計


10|“30日で変える”実行ロードマップ 🗺️⚙️

  • Day1–7:受付/前処理/仕上げのA4 SOP掲示・価格表の再整備

  • Day8–14:溶剤・水の定点測定開始/バーコード導入

  • Day15–21:写真台帳→顧客アプリ連携/納期カレンダー運用

  • Day22–30:KPIダッシュボード(再処理率・納期遵守・クレーム率)公開


11|KPIダッシュボード(例)📊

  • 再処理率納期遵守率一次合格率

  • 溶剤酸価・濁度水硬度

  • エネルギー原単位(kWh/点)

  • ロスト件数写真台帳添付率

  • 客単価リピート率レビュー★


まとめ ✨

“選ばれる店”は、前処理の精度×溶剤・水の管理×仕上げの一貫性×DXの透明性で信頼を積み上げます。
今日からA4標準と測定・記録を回し、同じ良さを速くお届けしましょう。🧼📈🤝

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第15回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~クリーニング活用術~

「家で洗う? お店に出す?」——迷ったら素材・汚れ・洗濯表示の三拍子で判断すれば失敗しません。ここでは初めての方にも分かりやすく、持ち込み前のコツ→依頼の仕方→戻ってからのケアまでをまとめます。


1|まずは“タグを読む”だけで8割うまくいく ️

  • 洗濯桶に✕:基本は**ドライ or ウェット(特殊水洗い)**向き。

  • P・Fマーク:ドライ溶剤の指定。P>Fで溶剤の強さが違うイメージ。

  • アイロン記号:点の数=温度。スチーム可否もチェック。

  • タンブラー乾燥✕縮み・型崩れの原因。お店で成形仕上げが安心。

迷ったらタグの写真を撮って持参。カウンターで最適なコースが決まります。


2|“汚れの時計”は逆回転しない ⏰

  • 油脂・皮脂:放置で酸化黄ばみに。早出しが勝ち

  • タンパク(血液・乳製品):熱で固着こすらず冷水軽く押さえ

  • 色素(ワイン・カレー):漂白系の見極めが必要。自己流の重ね処理は悪化

  • 泥・粉塵先に乾かしてはたく→繊維奥の水路を塞がない。

応急処置は“押さえて止める”まで。 強くこすると摩擦ムラ・色泣きの原因に。


3|素材別“出すとラク”リスト

  • ウール/カシミヤ縮み・毛羽乱れを防ぐドライ+立体仕上げ

  • シルク:色移り・輪ジミになりやすい。部分水分は厳禁

  • ダウン/中綿保温層の偏りを復元。撥水再加工で性能キープ

  • 麻/レーヨンシワ・寸法変化が出やすい。プロの成形プレスで整える。

  • スーツ/礼服テカリ・膝抜け蒸気成形でリセット。防虫対策も。


4|お店で伝える“たった3点”️

  1. 汚れの種類と場所(いつ・何が)

  2. 希望(におい控えめ/撥水したい/折り目シャープ 等)

  3. 急ぎ度合い(通常/特急)
    → これだけで前処理(シミ抜き)の精度が上がり、仕上がりがグッと安定します。


5|“仕上がりの違い”を知る ️

  • スタンダード仕上げ:日常使いに◎

  • デラックス/手仕上げ形・光沢・保存性重視の一張羅に

  • ウェットクリーニング:水でしか落ちない汚れを型崩れ最小で。

  • 加工オプション:撥水・防虫・折り目・抗菌防臭・花粉ガード


6|戻ってからの“保管が9割”

  • ビニール袋は外す:湿気こもり=変色・カビの元。

  • 肩幅合ったハンガー前を軽く留める:型崩れ防止。

  • 光と圧を避ける:色褪せ・テカリは光&圧で進む。

  • シーズン保管:高温多湿回避。防虫剤は同種類を一つ(混用NG)。


7|“あるあるQ&A”

Q. テカり(シャイン)戻せる?
A. 蒸気+ブラッシング+プレスで目立ちにくくできますが、摩耗が深いと限界あり。
Q. 取れなかったシミと言われた…
A. 染色や素材変性が起きている場合はリスク説明→段階処理が基本。無理はしないのが衣類を守る近道。
Q. どの頻度で出す?
A. スーツは着用5〜10回目安。皮脂が芯地に入る前がベスト。


8|持ち込みチェックリスト ✅

[ ] タグ写真/汚れの位置メモ
[ ] ボタン欠け・ほつれの有無
[ ] 追加オプション(撥水/折り目 など)
[ ] 仕上がり希望日・時間
[ ] 保管スペース(戻り後のハンガー・カバー)


まとめ ✨

“早めに・正しく伝えて・保管で守る”
この三步で、いつもの服が長く・美しく・ラクに着られます。次の休みはタグの写真を持って、気軽にご相談ください。

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第14回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~経済的役割~

私たちの暮らしのなかで当たり前のように存在するクリーニング業。
衣類や布製品の「清潔を保つ」ことを通して社会の快適性を支えているこの業種は、実は非常に多面的な経済的役割を果たしています。

クリーニング業が経済にどのように貢献しているのかを、雇用、地域経済、関連産業との連携、持続可能性、そして生産性向上といった視点から深く掘り下げていきます。


1. 地域密着型の雇用創出産業

クリーニング業は、全国津々浦々に店舗を構える地域密着型のサービス業であり、多くの地域で雇用の受け皿となっています。

  • 店舗スタッフ、工場作業員、集配ドライバーなど幅広い職種を網羅

  • シニア世代や主婦、外国人労働者の就労機会の場としても機能

  • フルタイムからパート・アルバイトまで多様な働き方を支える柔軟性

こうした特徴から、地域に根差した雇用を生み出し、地元経済を支える基盤としての役割が非常に大きいのです。


2. 関連産業との連動による経済循環の促進

クリーニング業は、単独で完結するサービスではなく、多くの関連産業と結びつきながら、産業全体の経済循環を加速しています。

  • 洗剤・溶剤・柔軟剤などの化学メーカーとの連携

  • 業務用洗濯機・乾燥機などを製造・保守する機械産業との関係

  • ビニール包装・タグ・伝票などの資材・印刷業界の需要創出

  • 衣類メーカーやファッション業界とのアフターサービス的役割

このように、クリーニング業は周辺産業に対して安定的な需要をもたらし、地域と全国の中小企業の成長にも寄与しています。


3. リユース・再生支援による消費構造の変革

現代の消費社会において、「使い捨て」から「使い続ける」へと価値観が転換するなか、クリーニング業は衣類や生活用品の寿命を延ばす重要なサービスとして注目されています。

  • 高度なシミ抜きやリペアによる衣類の再活用

  • 高級ブランド衣料・着物などの資産価値の保全

  • レンタル衣料やリユース市場におけるメンテナンス需要への対応

これにより、**持続可能な循環型経済(サーキュラーエコノミー)**の一翼を担っており、ファッション業界全体の環境負荷軽減にもつながっています。


4. 清潔・衛生による企業活動の支援

クリーニング業は、個人向けだけでなく、企業や施設の清潔維持を担うBtoB領域でも経済的な貢献を果たしています。

  • 医療・介護施設のシーツや白衣の衛生管理

  • ホテル・旅館のリネン、制服、タオル類の洗濯業務

  • 飲食店の制服・クロス・厨房服などの定期洗浄

  • 建設現場や工場の作業着の衛生的管理

このような業務を代行することで、企業側は本来業務に集中できる環境を確保し、生産性の向上を実現しています。つまり、クリーニング業は日本全体の産業活動を裏側から支えるインフラ的サービスでもあるのです。


5. 感染症対策・公衆衛生への貢献

特にコロナ禍以降、クリーニング業は感染症対策・衛生管理のプロフェッショナルとして、社会的意義と経済的価値が再認識されました。

  • 抗ウイルス・抗菌加工付きクリーニングの普及

  • 医療や保育分野での衛生強化のアウトソーシング先としての活用

  • 消毒・滅菌クリーニングによる企業や家庭の安心感の提供

これにより、安心して働ける社会インフラの形成に寄与し、労働参加率や経済活動の継続を支える隠れた基盤となっています。


6. テクノロジー導入による産業高度化と投資促進

最近では、ICT・IoT技術を活用した業務改善や顧客サービスの向上が進み、新たな投資と成長が促されています。

  • アプリによる集配管理やキャッシュレス決済の導入

  • 自動仕分け・自動包装機による省力化・省人化

  • 顧客管理と在庫データの連動でCRM精度を向上

  • エコ対応型設備への投資によるエネルギーコスト削減と環境貢献

こうした取り組みは、設備投資による波及効果と業界全体の生産性向上に直結し、国内中小企業の活性化にも貢献しています。


結論:クリーニング業は「見えない経済基盤」の一角を担う

クリーニング業は、単なる衣類の洗浄にとどまらず、

  • 地域雇用の創出

  • 関連産業への需要波及

  • 消費の循環化支援

  • 企業活動の衛生維持

  • 感染症リスクの低減

  • デジタル投資による中小企業支援

といった多面的な経済的役割を担っています。

それはまさに、「社会の清潔を守る」だけでなく、「経済の循環と安全を見えないところから支える」産業です。
今後も、環境や健康、技術革新といった新たな潮流に柔軟に対応しながら、クリーニング業は日本経済に欠かせない存在として、進化し続けていくことでしょう。

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第13回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~多様化~

かつてのクリーニング業といえば、スーツやワイシャツを預かって洗い、仕上げて返すという単一のサービス業とされてきました。しかし、近年では生活スタイルの変化や技術革新、そして感染症への意識の高まりなどを背景に、クリーニング業は著しく多様化しています。

クリーニング業におけるサービス、技術、対象品目、事業モデル、そして社会的ニーズの多様化について、深く掘り下げて解説します。


1. 取扱品目の拡大:衣類から暮らし全体へ

従来は主に衣類が対象でしたが、現在では以下のような生活全体に関わる製品のクリーニングが進んでいます。

  • カーテン・カーペット・ソファカバーなど大型の布製品

  • ぬいぐるみやベビー用品など繊細な素材の製品

  • 寝具(布団・マットレスパッド・枕)の高温殺菌洗浄

  • スニーカーや革靴などの履物クリーニング

  • スーツケースやランドセルの洗浄サービス

これにより、家庭内で洗いにくいものの外部依頼が増え、衣類以外を対象とする新たな市場が広がっています。


2. サービス形態の多様化:利便性と接触レス需要の高まり

人々のライフスタイルの変化や感染症対策の流れの中で、サービス提供のスタイルも進化しています。

  • 宅配クリーニング:アプリやWeb予約で自宅集荷・配達

  • ロッカー型クリーニング:駅やオフィスビルで受け渡し可能

  • 24時間無人受付ボックスの導入による非対面型サービス

  • 定期便契約型クリーニング:衣類ケアのサブスクリプション化

  • 即日仕上げサービス抗ウイルス加工オプションの提供

こうした多様なサービスは、時間に追われるビジネスパーソンや子育て世代にとって、「選ばれる理由」となる競争力を形成しています。


3. 技術・加工の進化:ニーズに応じた+αの提案

クリーニングの質もまた進化しています。単なる「きれい」に留まらず、+αの付加価値をつける方向に多様化しています。

  • 抗菌・抗ウイルス・防臭・花粉ガードなどの機能加工サービス

  • 色落ち防止・虫食い防止などの繊維ケア技術

  • 着物・レザー・ダウン・高級ブランドなどの特殊素材対応

  • 染み抜きや再生洗浄による復元加工技術の進化

このように、クリーニングは**「日常ケア」から「衣類の延命と資産保護」へと役割を広げており、高品質志向の顧客層にも対応できる業態に進化しています。


4. 法人対応・業務用途への展開

個人向けサービスだけでなく、クリーニング業は法人・業務用途にも裾野を広げています。

  • ホテル・旅館・病院・介護施設のリネン類

  • 作業着・制服・白衣などの定期クリーニング契約

  • 理美容院・エステ・マッサージ店などのタオル類洗濯

  • 飲食店のテーブルクロスやエプロン等の洗濯

  • 災害支援やイベント後の一括洗浄対応

これらの分野では、衛生管理や品質の安定供給が必須とされ、専門性の高いクリーニング業者が重宝されるようになっています。


5. 環境配慮型クリーニングへのシフト

持続可能性やSDGsの観点から、クリーニング業も環境配慮型へと多様化が進んでいます。

  • 有機溶剤を使わない「ウェットクリーニング」への移行

  • CO₂排出量を抑えた設備導入や省エネ型機器の活用

  • 無漂白・天然成分由来の洗剤への切り替え

  • 詰め替え可能な衣類カバーやリサイクル対応パッケージ

消費者のエシカル志向に応え、環境に優しいクリーニング店として差別化を図る動きが活発になっています。


6. 接客・カウンセリングの専門化

クリーニング業では、技術や設備だけでなく**「接客の質」も多様化の一要素**となっています。

  • 衣類の状態に合わせた個別カウンセリングの提供

  • 収納アドバイスやシーズン管理などライフスタイル提案型接客

  • シミ抜き・仕上がりに関する職人とのコミュニケーション強化

  • アプリによる利用履歴・衣類カルテ管理機能の提供

これにより、単なるモノの受け渡しから「衣類のかかりつけサービス」への進化を遂げており、顧客満足度とリピート率の向上につながっています。


クリーニング業は「清潔の提供」から「暮らしの質の向上」へ

かつては日常の一部だったクリーニング業は、今や高度化・専門化・多機能化の波に乗り、より広く・深く暮らしやビジネスに関与する産業へと変貌しています。

その進化は、

  • 衣類だけでなく生活用品全般への対応、

  • サービス形態の柔軟化、

  • 機能性や衛生面での高付加価値化、

  • 環境配慮やIT化による業務効率の追求

など、多方面で同時進行しており、今後も新たなニーズに対応したサービスが次々と登場することでしょう。

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