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月別アーカイブ: 2025年9月

第18回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~やりがい~

1|クリーニング業の役割とは?

クリーニングは単に“汚れを落とす”仕事ではありません。
清潔・快適・長持ちを提供し、衣類の寿命を延ばして廃棄を減らし、生活と環境の両方を支える“暮らしのインフラ”です。
店頭・工場・集配が連携して、品質とスピードと安心を同時に届けます。


2|いま求められている主なニーズ 📈

  • 確かな品質と衛生:シミ抜き・臭いケア・高接触部位の衛生処理、アレルゲン配慮。

  • スピードと利便性:当日/翌日仕上げ、24hロッカー、アプリ集配、追跡・通知。

  • 素材別の専門対応:ダウン・シルク・レザー・機能素材(撥水・防風)・和装。

  • BtoB需要:ホテル/医療/飲食のリネン・ユニフォームでの安定供給と再現性。

  • サステナビリティ:溶剤管理、省エネ、再利用包装、ウェットの高度運用。

  • 価格の明瞭さと保証:再仕上げ無料、前後写真で可視化、事故時の迅速対応。


3|この仕事のやりがい 🌟

  • Before/Afterが一目で分かる達成感
    黄ばみが真っ白に、テカりが消えて“ふわっ”と蘇る瞬間は何度味わっても格別。

  • 技術で応える楽しさ
    酵素・酸化/還元・pHコントロール……**“科学×手技”**で難物を攻略。

  • お客さまの笑顔と感謝
    「大切な一着が戻った」「行事に間に合った」その言葉が最大のモチベーション。

  • 地域と環境に貢献
    衣類を長く使わせる=廃棄削減。災害時の布団やリネン支援で社会の役に立てる。

  • チームでものづくり
    検品→前処理→洗浄→仕上げ→包装→出荷、バトンリレーが決まる気持ちよさ。


4|やりがい×ニーズが交わる瞬間 💬

  • “前後写真+再仕上げ保証”導入 → クレームが安心に変わり、リピート率UP

  • ウェット×低温乾燥のハイブリッドで風合い保持 → 口コミ評価が継続的に向上

  • 24hロッカー+集配アプリで回遊性UP → 離脱していた層が**“戻り客”**に。


5|“今すぐ”現場を強くするミニ戦略 🧰

  1. 素材別SOPカード
     ウール/シルク/ダウン/機能素材の“やってはいけない”を赤字で明記。新人も迷わない。

  2. 高接触20点チェック
     襟・袖口・脇・ポケット口…“20点だけは必ず触る”習慣で再仕上げ激減。

  3. 3枚撮りトレーサビリティ
     受付・前処理後・仕上げ後を撮影してアプリ連携。説明と教育の双方に効く。

  4. シミMAP運用
     入荷時に“汚れ位置”をタグ/アプリに登録→前処理の漏れをゼロへ。

  5. 包装の最適化
     長期保管品は厚手・短期返却は薄手、包装/点数KPIを毎月共有しロス削減。


6|成果が見えるKPI📊

  • 再仕上げ率(%):1%未満を目標に、要因別(シミ残り/プレス/異臭)で改善。

  • 納期遵守率(%):当日/翌日の時間帯順守。遅延は要因を5Whysで解剖。

  • タグ誤紐付け率(ppm):バーコード/RFIDで限りなくゼロへ。

  • 電力/ガス使用量(kWh・m³/点):季節平準化を見える化。

  • 溶剤・洗剤使用量(g/点):品質を落とさず低減、濃度管理を徹底。

  • 包装材/点数・再利用率:環境負荷のKPI化でESGを社内共有。

  • 顧客指標:リピート率、定期便(サブスク)加入率、レビュー★清潔度。

※“他社と比べる”より“自店の基準線を上げ続ける”のがコツ。


7|スタッフのウェルビーイングも“ニーズ” 🧑‍🔧💚

  • 人間工学ツール:軽量ワゴン、昇降台、滑り止めマットで腰・肩の負担を軽減。

  • 熱・蒸気対策:スポット冷房/換気、給水ルール、ヒートストレス管理。

  • 学びの仕組み:前処理の化学・素材学をeラーニング化、多能工化でやりがいを拡張。


8|これからの展望 🚀

  • サブスク×オンデマンド:生活リズムに合わせた定額+スポットの相互補完。

  • 衣類ケア×リセール:プロメンテ済み証明で中古市場と接続、循環型へ。

  • マイクロプラ対策:フィルター/洗浄設計で排出を抑制、環境価値を可視化。

  • データで最適化:入荷量予測→人員配置→ルート集配→ボトルネック解消。

  • 高付加価値メニュー:撥水・防臭・花粉/ダニ対策、和装・革・ハイブランド専門室。


まとめ ✨

クリーニング業は、

  • 品質・衛生・利便性・サステナビリティという強いニーズに応え、

  • Before/Afterの達成感、技術で喜ばれる実感、地域と環境に効く誇りという大きなやりがいを生む仕事。

“目に見えない配慮”の積み重ねが、衣類の寿命とお客さまの信頼を伸ばします。
今日も一着一着に向き合うその姿勢が、まちの暮らしを静かに支えています🧺🌿

お問い合わせはこちらから!

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第17回クリーニング雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。

~変遷~

1|はじまり:生活インフラとしての定着(〜1960年代)

戦後の衣生活は“長く着る・直して着る”が前提。
町場の個人店が 手仕上げ・人力プレス を中心に、綿・毛・絹など素材に合わせた職人の勘で対応していました。
蒸気ボイラーや回転式洗濯機が普及し始め、クリーニング=衣類を長持ちさせる公共サービスとして地域に根づきます。


2|高度経済成長:機械化とドライクリーニングの普及(1960〜80年代)

合成繊維・既製服の普及で衣類点数が増加。

  • ドライ機の本格導入、前処理(シミ抜き)と プレス機 による均一品質

  • チェーン化・工場集中で大量処理と翌日仕上げが一般化

  • スーツ・コート・学生服など“外出着”需要の拡大
    この頃に「即日/翌日仕上げ」「均一価格」などのサービス文化が形成されます。


3|バブル崩壊と品質志向・分化(1990年代)

価格競争が進む一方で、品質・安全の標準化が課題に。

  • 素材の多様化(起毛・縮絨しやすいウール、ビーズ・装飾)に高度対応

  • しみ抜き専業や高級衣料特化店の登場

  • 制服・白衣・ホテルリネンなど BtoB(リネンサプライ) の拡大
    家庭用洗濯機の進化で“日常衣類は家庭洗い、難物はプロへ”という 住み分けが定着します。


4|2000年代:環境配慮と“ウェット”の台頭 🌱

生活者の安全志向・環境意識の高まりを受け、溶剤管理と代替技術が進展。

  • 炭化水素系・シリコーン系など環境配慮型ドライ溶剤の採用

  • プロフェッショナル・ウェットクリーニング(水と専用洗剤+制御で型崩れを抑える)でデリケート素材にも対応

  • ボイラー省エネ、熱回収、包装資材の削減など サステナブル運用 へ舵切り
    同時に、撥水・防臭・UV 等の機能加工メニューも一般化します。


5|2010年代:デジタル化とラストワンマイルの革新 📲

スマホ普及で“店に持って行く”から“集配を呼ぶ”時代へ。

  • アプリ集配・サブスク(月額で枚数定額)

  • 店頭の 24時間ロッカー、無人受け渡し

  • 工場側は バーコード/RFID で個体管理、ミス防止とトレーサビリティ

  • 品質可視化(前後写真、仕上がり通知、再仕上げ保証)で 体験価値 を強化


6|2020年代:コロナ禍での需要変動と衛生価値の再定義 🦠

外出・出社が減り、スーツ需要は一時的に縮小。
一方で、寝具・カーテン・ユニフォーム・医療系 の衛生クリーニング、除菌・抗ウイルス加工 などが伸長。
ホテル・観光の戻りとともに リネン需要が反発、宅配・集配は生活インフラとして定着しました。


7|現在地:人手不足・多能工化・働きやすさ

  • 検品→シミ抜き→洗浄→乾燥→仕上げ→包装→出荷 の工程をデータで一気通貫

  • 腰・肩負担を減らす 人間工学ツール、蒸気・熱のばく露低減、安全教育の標準化

  • 外国人材・シニア活用、多能工化で現場の柔軟性を高める取り組みが加速


8|技術トピック:いま“現場で効いている”もの 💡

  • ウェット+ドライのハイブリッド運用:素材と仕上がり感で最適化

  • 低温乾燥・湿度制御:縮み・光沢劣化を抑えて風合いキープ

  • スポット前処理の科学:酸化・還元・酵素の“使い分け”でシミ再発を防止

  • 仕上げ自動化:シャツフィニッシャー、立体成形機で品質の均一化


9|タイムラインで一気に把握 ⏱️

  • 〜1960s:個人店中心/手仕上げ・蒸気機器の普及

  • 1960–80s:チェーン化・工場集中/ドライ機・プレス機で大量高速処理

  • 1990s:品質標準化/高級対応・BtoB拡大/家庭洗いと住み分け

  • 2000s:環境配慮溶剤・ウェット台頭/省エネ・包装削減

  • 2010s:アプリ集配・RFID・24hロッカー/体験の可視化

  • 2020s:衛生価値の再定義/需要シフトと復調、宅配定着


10|これからの展望 🚀

  1. オンデマンド×サブスク:即日集配・翌朝お届けの標準化

  2. サステナブル完全対応:再生エネルギー、ボイラー電化、再利用包装

  3. 衣類ケア×リセール連携:メンテ済み証明で中古市場と接続

  4. マイクロプラスチック対策:フィルター・洗浄設計で排出抑制

  5. 体験DX:仕上がりの“見える化”、保証・再仕上げのUX設計


まとめ ✨

クリーニング業は、
手仕事の時代 → 機械化・チェーン化 → 品質標準化とBtoB → 環境配慮とウェット台頭 → デジタル×集配 → 衛生価値の再定義
という階段を上りながら、いま サステナブル&デジタル を両輪に再発明が進んでいます。

衣類をきれいにするだけでなく、長く使う文化を支える“循環のハブ”
その役割はこれからも、暮らしの質と地球環境の両方を高めていくはずです🧺🌿

お問い合わせはこちらから!

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