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皆さんこんにちは!
株式会社新潟リネン、更新担当の中西です。
今回は、普段あまり語られることのない「クリーニング業界と環境」の関係について一般的な市場での動向を基に掘り下げてお届けします。
日常生活において欠かせないクリーニングサービス。スーツやワイシャツ、制服、カーテンや寝具まで、プロの手で綺麗にしてもらえるのはとてもありがたいことです。
しかしその一方で、クリーニング業界が自然環境に及ぼしている影響については、まだまだ広く知られていないのが実情です。本記事では、そうした“裏側”の課題をわかりやすくご紹介します。
ドライクリーニングと聞くと、水を使わない洗浄方法というイメージがあるかもしれません。実際には「パークロロエチレン(略してパーク)」や「石油系溶剤」と呼ばれる揮発性の有機化学物質を使って、衣類の汚れを浮かせて落とす方式が主流です。
このパークロロエチレン、洗浄力は非常に高く、シミや油汚れにも強いため長年業界の主流であり続けています。しかしながら、問題も山積みです。
人体への有害性:長期間吸入すると肝臓や腎臓に悪影響を与える恐れがあり、国際がん研究機関(IARC)では「発がん性がある可能性あり」と分類されています。
大気への揮発拡散:設備が古いままだと空気中へ漏出し、従業員や近隣住民の健康被害につながるリスクも。
土壌・地下水汚染:排気や廃液処理が不適切なまま運用されてきた施設では、土地が長期にわたり汚染される可能性があります。
このため、厚生労働省・環境省・自治体による厳しい設備基準や排出基準が設定されており、対応できない店舗は廃業を迫られるケースも少なくありません。
もう一つの側面が、「ランドリー」や「水洗い」による環境負荷です。水を使って洗う方式では、1枚の布団や毛布を洗うのに数十リットルの水を使用することもあります。加えて、乾燥にはガスや電気を用いたボイラーが不可欠であり、CO₂(二酸化炭素)排出量が大きい産業の一つでもあります。
近年は、
熱効率の高いボイラー設備の導入
節水型の大型洗濯機の普及
太陽光発電との組み合わせ
など、省エネ化・効率化への取り組みも進んでいますが、初期投資の負担が大きく、すべての店舗が対応できているわけではありません。
洗濯工程で使われる合成洗剤や柔軟剤の一部成分は、生分解されにくく、下水処理後に河川や海へ流出し、水生生物への悪影響や富栄養化の原因になることがあります。
とくに、蛍光増白剤やリン酸塩、香料、界面活性剤などの成分は、使用量や排水処理状況によっては自然環境に負担をかけてしまうのです。
これに対し、以下のような取り組みが推進されています。
無リン洗剤の使用
生分解性が高く、環境配慮された洗剤への切り替え
濃縮型洗剤の導入(廃棄物削減)
しかしながら、コストの問題から導入に踏み切れない中小業者も多く、業界全体の課題として根深く残っています。
クリーニング業では、包装用のビニール、ハンガー、タグなどの使い捨て資材が大量に使用されます。これらが回収・再利用されないまま廃棄されると、プラスチックごみ問題に直結します。
最近は、
繰り返し使えるハンガー
環境配慮型の紙素材タグ
ビニール包装の簡略化や廃止
など、業界全体で**「脱使い捨て」**への意識が高まってきているとはいえ、消費者の理解と協力も不可欠です。
クリーニング業界が提供する「清潔」は、実は見えない形で自然環境に負担をかけてきた面もあるということをご紹介しました。次回は、こうした課題をどう乗り越え、持続可能な未来に向けて業界がどう進化しつつあるのかをご紹介します。
次回もお楽しみに!
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